2006年9月信州例会は、6名の参加のもと開催されました。
1日目。
嬬恋村郷土資料館。
天明の浅間焼けで全滅に近い被害にあった鎌原村の発掘遺物や地場産品のキャベツの展示などがあります。
資料館横にある鎌原観音堂。
土石流れで半ばまで埋まった石段。周囲には数多くの石碑があります。
地下5mで折り重なった状態で二人の遺体が発掘された有名な階段。

階段は橋の下、土中へと続いています。
観音堂にも発掘された遺物や先ほどの遺体の再現頭部の写真が置かれていました。
続いて、五郎兵衛記念館。

「(財)信州農村開発史研究所」「佐久市浅科人権文化センター」との3枚看板。
春原邦江館長から五郎兵衛用水の概要や用水開削に功績のあった市川五郎兵衛などについて説明をいただきました。
展示室には用水関連の古文書や民具。
被差別部落に関する古文書も収蔵していることから、その一部が展示されています。
子どもたちが作った五郎兵衛用水史の解説もあります。
多数の古文書を収蔵している(らしい)別棟が裏手にあります。
ここからは五郎兵衛用水のフィールドワーク。
資料館近くの市川五郎兵衛の墓。
近代的に改修された後の用水を見学。
田んぼより用水の水面のほうが高いのが特徴。
現在の用水沿いを歩く参加者。
とても美味との「五郎兵衛米」もすくすくと育っています。
改修前の用水跡。
水は流れていませんが、溝だけが残り、標識が立っていました。
ブロック擁壁が用水跡に沿って湾曲しています。
「つぎせぎ跡」(盛り土を利用した用水路)の石碑。

浅科湖の先に見える資料館。
改修前後の用水を辿り歩くこと2時間ちょっとの行程でした。
2日目。
黒耀石体験ミュージアム。同館の大竹幸恵学芸員から事業概要や館内の説明をしていただきました。
研究展開や将来の拡充を見越して、パネルにマグネットを使用したり、その裏側が活用できるようになっているとのこと。
遺跡、遺物、かかわる人の順に展示室は構成されています。遺跡ゾーンでは現地からの剥ぎ取り標本があります。
遺跡から遺物への橋渡しの展示。
まるで黒耀石が宝石のように並べられています。
そして、遺物、石器づくりと流通に関する展示と続きます。

町内の考古学者やミュージアム建設の原動力となった町勢概要など地域との繋がりを見せる展示も。
その一方で世界とのつながりを意識させる地図も。世界との繋がりを意識した活動の実績もあり、まさにグローカル。
大きな体験学習スペースがあり、黒耀石の鏃や骨格器のネックレスなど様々なメニューが用意されています。
当日は林間学校で来ていた子どもたちが思い思いにものづくりにふけっていました。
ミュージアムショップのグッズや体験学習の教材は、すべて地域の女性による手作りです。

ミュージアムショップ奥には工房があります。
同館の設計段階から、実際の事業運営や収納に至るまで、彼女たちの知恵や意見が生かされているとのこと。
少し山登りして、鷹山遺跡群へ。

標識も設置され、初心者にもわかりやすくなっています。
この青いビニールシートで覆われている採掘址から館にある剥ぎ取り標本は作成されています。
隣の採掘址は竪穴が開いたままで劣化が著しい状態です。
遺跡の適切な保存も今後の重要な課題とのことでした。
<参加できなかった方のために>
~この例会の趣旨について~
http://museum.cocolog-nifty.com/hakumonken/2006/08/20069_e2c5.html
~見学するには~
ご参加いただけなかった方もぜひお出かけください。
嬬恋村郷土資料館
http://www.vill.tsumagoi.gunma.jp/siryoukan/index.htm
五郎兵衛記念館
http://www.city.saku.nagano.jp/kankou/shinaimeguri/asashina.htm#gorobe
黒耀石体験ミュージアム
http://www.town.nagawa.nagano.jp/hoshikuzu/
~こちらの参考文献も~
<嬬恋村郷土資料館>
浅間山麓埋没村落総合調査会 /東京新聞 1980『嬬恋・日本のポンペイ』東京新聞出版局
清水寥人『緑よみがえった鎌原』1982 あさを社
嬬恋村教育委員会 1994『埋没村落鎌原村発掘調査概報』
<五郎兵衛記念館>
斎藤洋一1994「砥石の生産・販売と被差別部落-五郎兵衛用水の掘貫を掘ったのは誰か-」『東日本の近世部落の生業と役割』東日本部落解放研究所編 明石書店
斎藤洋一1987『五郎兵衛新田と被差別部落』三一書房
川元祥一1990『希望の草原 五郎兵衛用水物語』財・信州農村開発史研究所
高野昭之助1993「信州の最後の闘いの中で-長野県・浅科村の部落の歴史をとりもどす闘い」『東日本の被差別部落-現状と課題-』東日本部落解放研究所編 明石書店
<黒耀石体験ミュージアム>
長門町立黒耀石体験ミュージアム編2004『黒耀石の原産地を探る・鷹山遺跡群』新泉社
黒耀石体験ミュージアムで、道普請のために集まった友の会の方にシカ汁をご馳走になりました。
とてもおいしかったです。